バイト先は殺人事件の被害者!?
【奇岩館の殺人:高野結史】

国内ミステリ

今回は話題(?)の闇バイトのような物語だ。
高額バイトに連れて応募したはいいものの、とんでもない目に主人公は遭うぞ。

う……。きっと殺人を支持されたり、強盗をさせられたりするんだ。
恐ろしい……。

いや、この闇バイトは加害者になるんじゃないんだ。
事件の被害者として、呼ばれてしまうんだよ。

一体どうしてそんなことに……。
逆に気になりますね……。

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概要

  孤島に立ついびつな形状の洋館・奇岩館に連れてこられた日雇い労働者の青年・佐藤。到着後、ミステリーの古典になぞらえた猟奇殺人が次々と起こる。それは「探偵」役のために催された、実際に殺人が行われる推理ゲームだった。佐藤は自分が殺される前に「探偵」の正体を突き止め、ゲームを終わらせようと奔走するが…。密室、見立て殺人、クローズド・サークルーミステリーの常識が覆る!

「BOOK」データベースより

大きな3つの魅力

擬似クローズド・サークル

 ・まるで古典ミステリのように発生する擬似殺人事件。

殺人事件の裏側で

 ・殺人事件を運営している裏方のドタバタ劇がある種痛快。

主人公の奮闘

 ・死体役になりたくない! どうすればこの殺人劇から抜け出せる?

どんな事件なのか?

  • リアルマーダーミステリ「探偵遊戯」
    • 世界の富豪御用達の「遊戯」
    • 探偵役になる「クライアント」
    • 富豪(探偵)の無茶振りに応える運営側
  • 創られた殺人劇
    • ベタベタの王道ミステリ?
    • 猟奇殺人。
    • 密室殺人。
  • 生き残るための推理
    • 誰が探偵役?
    • 誰が次の被害者役?
    • このゲームを中止にするには?

オススメ度

謎の魅力:★★★☆☆(殺人劇というある種の特殊設定ミステリ!)

登場人物:★★★★☆(主人公佐藤の奮闘が面白い。絶対絶命の窮地からどうやって抜け出すのか?

読み易さ:★★★★☆(スルスルと読みやすく、あっという間に読めてしまう)

総合オススメ度:A
設定も面白く、謎解きも手応えがある。何より殺人事件の舞台裏にこんな苦労があったとは……笑。

感想

 まるで「シットコム」を見せられているようでした。

 殺人劇を運営側はクライアント(探偵役)の要望に応えるために右往左往。脚本を書き換えるも、所々に穴があって、それを埋めるのにも必死。

 そして、そんな無理矢理軌道修正した脚本に翻弄される登場人物たち……。

 死体役にならないように必死に身の振り方を考えて、動き回る佐藤。しかし、死体役にならなくても、このゲームの存在を知ってしまったからには、生き残れる保証もない。どうやったら生き残ることができるのだろうか?

 作中作の、事件も読み応えがありましたが、それ以上に「このゲームの攻略法」に自分自身強く惹かれました。

 誰か分からない、探偵役の機嫌を損ねたら、殺される。

 運営側に死体役として選ばれたら、殺される。

 ゲームが終わっても、殺される。

 この絶体絶命の窮地を一体どうやって切り抜けるのか、主人公の奮闘こそ、この物語の一番の読みどころだと、思いました。

 これは、個人的に続編を期待せざるを得ません。

斬新なアイディアに脱帽!
緊張感がある話なのに、殺人劇の裏側はドタバタ!

殺されてまで、お金なんて欲しくないです……。

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