有名作家の助手と霊感を持つ女子学生 【歩く亡者 怪民研に於ける記録と推理:三津田信三】

ホラー小説

刀城言耶のスピンオフシリーズ「歩く亡者」を紹介するぞ。

スピンオフシリーズですか……。
それでは本家を知らない人は、充分に楽しめないのでは?

いや、そんなことはないぞ。
本家を知らなくとも面白いし、本家に劣らずとも恐ろしい作品だ。

やっぱり恐ろしさは健在なんですね……。
少しぐらい手加減してもいいのに……。

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概要

  無明大学にある「怪異民俗学研究室」(怪民研)は、作家であり探偵である刀城言耶の研究室で、膨大な書籍と曰くある品で溢れている。瞳星愛は、昔遭遇した“亡者”の忌まわしい体験を語るため怪民研を訪れた。言耶の助手・天弓馬人は熱心に推理を巡らせ、合理的な解釈を語るが、愛はある事実に気づいてしまう。首無女、座敷婆、狐鬼、縮む家ー数々の怪異と謎に2人が挑む。本格ホラー・ミステリの名手による新シリーズ、開幕!

「BOOK」データベースより

大きな3つの魅力

刀城言耶シリーズのスピンオフシリーズ

 ・本家の刀城言耶シリーズを知らなくても、新規の方でも充分楽しめる内容です。もちろん本家を知っている人も十全に楽しめます。

刀城言耶の助手と、拝み屋の祖母を持つ女子学生のコンビ

 ・ホラーが苦手な助手とホラー耐性を持つ女子学生の掛け合いが、なんとも面白いです。

5つのホラー短編を収録

 ・推理は可能か? それとも説明不可能のホラー体験なのか? 

どんな事件なのか?

  • 歩く亡者
    • 歩く亡者(ぼうもん)。
    • 昔、遭遇した怪異について相談する女学生(主人公ーー瞳星愛)。
    • 亡者がふらふらと海沿いの亡者道を歩く姿が目撃されるのだが……。
  • 腹を裂く狐鬼と縮む蟇家
    • 腹を割かれて死んでいく子供たち。
    • 発見する度に小さくなっていく家。
    • 二つの事件に繋がりはあるのだろうか?
  • 目貼りされる座敷婆
    • 怪異好きの女子が入部したのは「妖怪研究会」。
    • しかし廃部寸前で、男子は女子の会長目当てで、数合わせ。
    • 合宿で妖怪が出ると言われる民宿に行くのだが……。

オススメ度

謎の魅力:★★★☆☆(短編とあってバラエティがとても豊か。ただ解決は若干無理があるか?)

登場人物:★★★☆☆(瞳と天弓との解決編が面白い

読み易さ:★★★☆☆(短編によって語り手が違うので、ややとっつきにくいか)

総合オススメ度:B+ 
ホラーの種類はバラエティ豊かで飽きることはない。しかし解決はワンパターン気味。

感想

 刀城言耶のスピンオフシリーズということもあって、本家の刀城言耶シリーズを読んでいれば、合間合間に「おっ」と思わせる仕掛けが入っていて、読んでいて楽しい。これを機に刀城言耶シリーズを読んで頂ければ、と思う。(刀城言耶シリーズの方が個人的には好きです)

 5つの短編の怪異はどれも種類・場所・ジャンルが異なり、どの話も飽きることなく読めるので、自分にピッタリとハマる話があるはずです

 個人的に一番好きだった話は「目貼りされる座敷婆」です。

 会長を巡る男子部員の三角(?)関係は読んでいて笑えますし、それに巻き込まれる眞世(主人公)の立ち位置や、妖怪好きな性格も個性的で面白いです。

 彼女らが巻き込まれるのは「座敷婆」が住むと言われる旅館。降霊術の一種で、いつの間にか座敷に鎮座しているという。「妖怪研究会」の面々はその座敷婆が出没する旅館にいき、会長自ら怪異と対峙するのだが……。ここで事件が発生。果たして犯行は妖怪か?それとも部活のメンバーの誰かなのか? 明らかに妖怪の犯行に見えるのだが、合理的な解釈が果たして可能なのだろうか?

 この「歩く亡者」は次回作(長編)もあるとのことなので、そちらも期待です。

一見怪異の仕業にしか思えない事件の数々。
これを探偵役の天弓が解決していぞ。しかし説明できない現象もあり……。

いえ、絶対に解明できるはずです。
全ての現象には合理的説明ができるはずです。……はずですよね?

コメント

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