「Whodunit」「Howdunit」「Whydunit」とは
さて。
それでは『Whodunit』『Howdunit』『Whydunit』
以上の講義を始めようか、にわとり君。
なんか、小難しい言葉ですね……。
一体なんて読むんですか?
Whodunit……フーダニット
Howdunit……ハウダニット
Whydunit……ホワイダニット
と読むんだ。
この3つはミステリを構成する上で、大きな三本柱と言っても過言ではない。
『Whodunit』『Howdunit』『Whydunit』とは。
・Whodunit(フーダニット)……犯人は誰か?
・Howdunit(ハウダニット)……どうやって犯行を行ったか?(トリック)
・Whydunit(ホワイダニット)……何故、犯行に至ったか?(動機)
こうして読むと、単純明快ですね。
ミステリ上では当たり前で、特に気にしたこともなかったです。
その通りだ。
この3つが絶妙に入り組んだ傑作もあれば、1つだけ特出した作品も多くある。
だから、ミステリは面白いんだ。
なるほど。
今回はその3つに特出した作品たちやその魅力を伝えるという事でしょうか。
珍しく察しがいいじゃないか。その通りだよ。
それでは早速、伝えていこうじゃないか。
『Whodunit』『Howdunit』『Whydunit』の魅力

『Whodunit』『Howdunit』『Whydunit』の魅力はざっとこんな感じだな。
Whodunit(フーダニット)犯人は誰か?……ミステリの基本。事件が起きて、その犯人を探すのがミステリの醍醐味と言っても過言ではない。
Howdunit(ハウダニット)どうやって犯行を行ったか?……トリック。数多くの工夫を凝らしたトリックを楽しむのもまた、醍醐味。
Whydunit(ホワイダニット)何故、犯行に至ったか?・・・・・・動機。動機あってこそ事件は起きる。どうしても動機は浅く見られがちだが、決して蔑ろにできない。
意識して読むと、なんだか関心しますね。
今まで当たり前に読んでいましたから……。
そうだな。一度考えてしまうと、ミステリを読む「目」も養われていくんだ。
『Whodunit』『Howdunit』『Whydunit』の作品
『Whodunit』『Howdunit』『Whydunit』の作品といえば、これ!
という代表的な作品を3つ紹介するぞ。
・セーラー服と黙示録
フーダニット(犯人論)の島津今日子。ハウダニット(手口論)の古野みづき。ホワイダニット(動機論)の葉月茉莉衣が、事件を解決する一味違ったミステリだぞ。
・どちらかが彼女を殺した
これは究極の犯人当てのミステリと言っても過言ではないぞ。
なんせ、犯人の名前が分からないのだからな。
・月光ゲーム
王道の犯人当てと言ったら、やっぱりこの作品!
「読者への挑戦」が挿入されていて、自分の頭脳で犯人を推理するのはやはり面白い!
今回、紹介されたのはフーダニットの作品ばかりでしたね。
まぁな。トリックが凄い作品や、動機が奇想天外の作品は数多くあるから、今回はフーダニットについてスポットを当てたぞ。
最後に
『Whodunit』『Howdunit』『Whydunit』
どれもミステリを構築する大切な要素ではあります。ただし、この三つがバランスよく成り立っているからといって、その作品が「傑作」になる訳ではありません。
この三つの内、一つでも尖っている傑作もありますし、上述した通り三つのバランスが上手に組み立てられている傑作も存在します。作家性も大きく影響があると思います。人を魅了するのはこういった方程式ではなく、やはり感性なのかもしれません……。
次回はもっと『Whodunit』『Howdunit』『Whydunit』の尖った作品を紹介しようと思いますので、ご期待ください。
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