ミステリーランドから刊行された「神様ゲーム」を今回は紹介するぞ。
確かミステリーランドって小中学生に向けられた作品ですよね。
ふん。そんな甘くはない。後味最悪だ。
世間は甘くない、と遠回しに伝えているような作品でもあるぞ。
一筋縄ではいかなそうな作品ですね……。
これは覚悟して読む必要がありそうです。
概要

神降市に勃発した連続猫殺し事件。芳雄憧れの同級生ミチルの愛猫も殺された。町が騒然とするなか、謎の転校生・鈴木太郎が犯人を瞬時に言い当てる。鈴木は自称「神様」で、世の中のことは全てお見通しだというのだ。鈴木の予言通り起こる殺人事件。芳雄は転校生を信じるべきか、疑うべきか。神様シリーズ第一作。
「BOOK」データベースより
大きな3つの魅力
連続猫殺し事件の犯人とは?
・残虐極まりない方法で殺害される猫たち。
自称神様ーーー「鈴木太郎」とは?
・トイレ掃除に話すようになった鈴木君。その正体とは?
こんな作品をミステリーランドで刊行するとは……
・内容がエグい! 後味が悪い! これを読んだ子供はトラウマ必至では?
どんな事件なのか?
- 神降市で勃発した連続猫殺し事件を追う探偵団。
- 体の一部を切断された猫が続々と発見される。
- 主人公の探偵団がその犯人を追う。
- しかし、手掛かりが掴めずに暗礁に乗り上げるが……。
- 様々なことを予知する神様こと鈴木太郎
- トイレ掃除の最中に仲良くなる鈴木君。
- アニメの展開や先生の恋愛事情を滔々と語る鈴木君。
- 猫殺しの犯人を言う鈴木君。
- 探偵団を襲うもうひとつの事件
- 鈴木君の助言(?)を元に犯人を追い詰めていく探偵団。
- 探偵団の緊急招集。鉄の掟に綻びが?
- 探偵団の一人が不可解な状況で死亡する……。
オススメ度
謎の魅力:★★★★☆(そこまで惹きつけられる謎ではないが、結末にあんぐり)
登場人物:★★★☆☆(特徴溢れる子供達で微笑ましかったです)
読み易さ:★★★★★(子供向けと言うこともあって、かなり読み易い文章でした)
総合オススメ度:S
サクッと読めながらも圧倒的な絶望感。この後味の悪さは絶対に真似できない。
感想
猫殺し事件、探偵団、秘密基地、そして神様……。まさに少年心をくすぐる設定ですよね。これは少年少女は喜んで読み進めるのではないでしょうか。
しかしこの表向きの設定に騙されてはいけません。
読み進めていくと、徐々にエグい内容が浮き彫りになっていき、解決編ではあまりにも目を逸らしたくなるようなエグい事実が主人公の芳雄に襲いかかる。こうやって、酷い現実を知って大人になっていくのかなぁ……、っていやいや、この現実は酷過ぎる。再起不能になっても仕方がないようなエグい事実。人間不信になってもおかしくはない事実で、芳雄君が立ち直れるか心配です。
それに神様=鈴木君だとすると、様々な考察ができるのも、この作品の良いところです。一体本当の真実はどこにあるのか……。それこそ神様(著者)のみぞ知る、と言うことですね。
更に続編があるのが恐ろしいです。
「後味が悪い」が代名詞の麻耶雄嵩。
しかし、これを子供たちに読ませるのは悪影響ですよ……。
この作品は酷い(褒め言葉)。
大人の悪いところを煮詰めたような作品を子供に読ませるとは……。


コメント